灰になって積もる

吹いて飛ぶよう軽やかに、けれども何か残りますよう

【読んだ】『レーエンデ国物語』

 

物語のネタバレを含みます。

 

久々に本を一気読みした。私はこういうファンタジーが好きだったな~といろんなところで思い出せて嬉しかった。

 

レーエンデという呪われた不思議な国、その国だけの呪いである銀呪病という病。恐ろしい病であるのに、美しいと思ってしまう。

私が触れてきたファンタジーって、異世界の謎の多く残る伝承だったり病だったり生き物だったりが出てくる知らない世界を知るものだったな*1とこの本を読みながら思い出していた。人間がかかれば数年で命を落とす銀呪病だが人間以外の動植物はそうではないとか、受け継がれていた伝承が国によって一部違っているとか、そういう謎が多い世界はワクワクする。人間が自然の中の一部であり、人間は世界の上位種ではないという書かれ方が好きなのかもしれない。

実は2巻を少し読み始めたけど、時代と登場人物がガラッと変わるタイプの話は私が読んできた本ではあまり経験したことがなくてこれからどうなるんだろう……? とドキドキしている。ファンタジー小説が好きだったけど、長編作品はすべてを通して読んだことがないのでこれから追うことができるファンタジー作品ができたのはとても嬉しいことです。

 

本当に面白くて、そしてメインキャラが好きすぎて私の友人には申し訳ないけれど、ちょっと読んであまりにも気持ちが膨らみすぎたらLINEに吐き出しに行っていました。でも出てくるメインキャラがあまりにも私と友人たちが好きそうな設定ばかりなんだもん……。

このキャラ造形の魅力って世界はかなり現代と離れているけどキャラの感覚が現代的であることだと思っている。特にユリアちゃん、お父様のヘクトルさんに対する結構な負けず嫌いなところがかわいいの! と熱弁するところで私はめちゃめちゃ首を縦に振りました。推しに対するオタクの感情だよ……わかるよ……。かっこいい人のかわいいところって本当にかわいいよね。あとヘクトルさんの奥さんも私の大好きなタイプの人*2で推しです。あの夫婦大好きだ……。

最推しはトリスタンさんでした。良い生き様でした。推しが生き抜いたところをあんなに丁寧に描写していただいて、ずっと気持ちはハラハラしていたけどあの最後に対して私から言うことはない。よく生きられましたね。*3

 

作中に現世では叶えられなくても生まれ変わってまた会おうみたいな描写何回か出てきたので、これは伏線なんだろうか、そうだったらいいなと思っております。次巻も楽しみだ~。

*1:精霊、妖精、龍(竜)が出てくる話と大きな木が出てくる話をシリーズ関係なくよく読んでいた。上橋菜穂子先生の児童書とか。

*2:私は男性に物怖じせずずけずけ言うタイプの女の人と、それにタジタジしてる男の人が好き。性別関係なく対等であるという姿勢を貫く人が好きです。なのでトリスタンさんとユリアさんも大好き。室生犀星蜜のあわれ』を読んでほしい。私の好きが詰まっているから。

*3:ミュージカル刀剣乱舞『三百年の子守唄』から。